規制システムの調和を図りその効率性を改善することは、アフリカ全土で新型コロナ・ワクチンその他の医療技術へのアクセスの迅速化を意味するため、コロナ禍の中で、より大きな緊急性を帯びるようになりました。写真:Braňo on Unsplash
アフリカ大陸における予防可能な病気による疾病負担と死亡率の高さは、各国の医療システムの不備や、安全で品質が保証され有効な医薬品やその他の医療技術へのアクセス欠如が一因となっています。医療技術に対する需要の高まりを考えれば、その効果的規制に注力し、投資することが急務と言えます。
多くの国では、医薬品やその他の医療技術を迅速に承認し、品質、安全および有効性に関する基準の遵守を確保するための能力と資源が依然として限られています。さらに、国内の政策枠組みが脆弱であったり、時代遅れであったり、一貫性を欠いていたりすることも課題として残っています。その結果、国によって申請要件が異なり、研究者やメーカーが同じ医療技術を登録する際、複数の規制制度への対応を強いられます。
調和の取れた政策枠組みは、効果的な規制の基盤となるだけでなく、各国間の協力を強化する力にもなります。新規医療技術のアクセスと提供に関するパートナーシップ(Access and Delivery Partnership:ADP)はこの認識に立ち、医療用品規制に関するアフリカ連合(AU)モデル法の策定と施行を支援してきました。これまでのところ、19か国がこのモデル法を全面的または部分的に国内法化しています。
2016年にAU加盟国によって採択されたAUモデル法は、各国がその規制枠組みの強化と整合化を図るためのテンプレートの役割を果たしていますが、これは規制当局による承認の予見可能性と効率を高めるために欠かせません。モデル法は、地域レベルでの協調と能力強化を通じ、アフリカにおける医療技術へのアクセスの妨げとなる規制障壁の解消を目指す「アフリカ医薬品規制調和(African Medicines Regulatory Harmonization)」イニシアチブの2つの重要な柱のうちの一つです。この種の地域的調和への取り組みは、規制審査の重複を減らし、相互承認を促進し、アクセスを加速することで、新規医療技術の提供を迅速化することが判明しています。
AUモデル法の策定プロセス全体を通じ、ADPは、設置が提案されていたアフリカ医薬品庁(AMA)に関するものを含む、専門家による法的助言と技術的支援を提供しました。地域の専門技術機関として、AMAはAU加盟国に対する規制面のガイダンスや技術援助の提供はもとより、地域および国内レベルで法規制改革を容易にするためにAUモデル法の使用を促進するうえでも、大きな役割を果たすことが期待されています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)により、これらの問題はさらに緊急性を増しています。アフリカ全域の規制制度システムを調和させ、規制の効率化を図ることで、新型コロナ・ワクチンや関連の医療技術への迅速なアクセスを確保することが出来ます。
ADPは、アフリカ連合開発庁―アフリカ開発のためのパートナーシップ(AUDA-NEPAD)と長年連携し、AUモデル法の策定推進と、2016年にアフリカ各国首脳がAUサミットでモデル法を採択して以降は、AU加盟国におけるAUモデル法の国内法化にも共同で取り組んでいます。
今日までに、4カ国が国内化プロセスを完了し、他の国は国家協議プロセスの最中にあり、場合によっては、法案の採択のための立法プロセスに入っています。
ADPは引き続き、モデル法の国内化に取り組む国をさらに増やし、そのプロセスの完遂に向けた継続的技術援助を提供するため、AUDA-NEPADと積極的に協力していきます。
例えば、ADPはガーナとセネガルで、国内のステークホルダーとの協議や、法律・政策の見直しも支援しており、現在は法案作成のプロセスが進んでいるところです。
ADPの支援を受けてAUDA-NEPADが作成したガイダンス文書は、AUモデル法の概念の理解を深めることを目的としており、モデル法を各章ごとに分析しながら、法律の起草方法に関するガイダンスを提供することで、有用な草案作成の提案を示しています。
こうした取り組みは全体として、各国がその法規制をAUモデル法に合わせ、効果的な規制を促進するだけでなく、地域全体で規制制度の調和を図るという目標の達成にも寄与しています。
「法規制環境の調和により、アフリカ全域でのAMAの効果的な運用が可能になるでしょう。よって、AU加盟国によるAUモデル法の国内法化は、こうした規制の調和に向けて欠かせない一歩となります。COVID-19のパンデミックは、私たちにその重要性を示しました。私たちはそのような認識が、この問題に対する関心をさらに深めるものと期待しています。そして、ADPとの継続的パートナーシップが、AU加盟国を国内化のプロセスへとさらに衝き動かすことを心待ちにしています。また、ガイダンス文書によって、AUモデル法の規定を各国の要件や優先課題に適応させるために技術援助を必要とするAU加盟国のニーズにも対応しています。」 — マーガレット・ンドモンド・シゴンダ博士AUDA-NEPAD保健プログラム責任者兼・アフリカ医薬品規制調和(AMRH)イニシアチブ・コーディネーター
AUDA and ADP, ‘A guidance document for domestication of the African Union Model Law on Medical Products Regulation’, 2021
ADP, ‘UNDP and Ghana Food and Drug Authority join forces to strengthen regulation of health technologies’, 10 October 2021
ADP, ‘Issue brief: African Union Model Law for Medical Products Regulation’, 2017
AUDA, ‘AU Model Law on Medical Products Regulation’, 2016
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